20代SE 忘備録

普段自分が考えたことや学んだことを忘れないように書いていきます。

「石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか? 岩瀬昇著」を読んで

  また、タイトルに石油の埋蔵量とありますが、埋蔵量の算出方法に関する本ではないです(もちろん多少は出てきますが)。1次エネルギーに関する本で、特に化石燃料に関する歴史や世界の情報について解説されています。石油の所有権についてアメリカでは土地の持ち主であり、他の国(日本も含む)では国のものというように、国によりルールが違うという話が面白かったです。こういったルールの違いが、ビジネスチャンスに結びつくかもしれませんね。

 

 ところで、私はよく今後の自動車が電気自動車になるのか、水素社会になるのか、はたまたガソリンのままなのか非常に興味があります。しかし、この本を読んで電気や水素の動向ももちろんですが、それ以上に1次エネルギーをどのように確保するのか、という問題も同じくらい重要であると思いました。日本は海外からエネルギー資源を輸入しています。その上で、電気や水素をつくるのです。したがって、どのように安定してエネルギー資源を確保していくことかが、日本にとって、日本人にとって考えなければならないことだと思います。きっとここに大きな商機があるように思われます。

 

 

 

「検証 働き方改革 日本経済新聞社編」を読んで

 安倍政権のもと取り組まれている働き方改革について、その動向や企業の声について調査した本です。この本を読んだ私の理解、感想は以下のようになります。

 まず日本の労働人口はこれからどんどん減っていきます、したがって日本の産業競争力をつけるにはどうすればいいのか、が問題となります。その対応として働き方改革というものがあります。働いていない老人や女性にもっと活躍してもらう必要があります。しかし長時間労働を前提とした働き方では働くことができません。そこで、多様な働き方というものが必要になります。また単純に労働時間を減らせば競争力は落ちますので、生産性の向上が必要です。そこで、社内制度の見直しやITツールを使って生産性を上げていく必要がある。また国全体をみると、正社員の雇用が硬直しすぎており、解雇規制の緩和(解雇ルールの明確化)と、失業者が転職できる環境を整える必要がある。以上が私のざっくりとした理解です。

 私は社会人としてどのようにすればいいのでしょうか。おそらくより実力本位の社会となることは必至です。(逆行することはおそらくない)そのためには他社でも通じる実力をつける必要があるのでしょう。私はシステムエンジニアなので、その分野の技量を磨くというのが直近で行うことなのでしょうか。うーん。。

電気自動車は流行らない - 米国エネルギー省顧問 物理学教授の予想

 「カリフォルニア大学バークレー校特別講義 エネルギー問題入門」を読んでみました。この本の著者はリチャード・ムラーという物理学教授で米国エネルギー省の顧問をしているそうです。この本は表題にあるような電気自動車に関する予想がメインではなく、エネルギーに関わる問題(福島の原発やメキシコ湾岸の原油流出事故など)の評価や原子力代替エネルギー、石油、天然ガスシェールオイルなど様々なエネルギーに関する比較を行っています。そしてこれは将来政治経済の分野でリーダーとなっていく人であろう人に提言するような内容(講義)になっています。国民が誤ったエネルギー政策に流されないように、その場での印象や感情ではなく科学的に評価するべきであると述べています。

 

 私がこの本の中で気になったのは電気自動車の部分ですが、それは、どの形態の自動車が流行るかは、日本の自動車産業の行く末に大きく影響すると思っているからです。著者曰く、現在の電気自動車(ハイブリッドではなく完全に電気だけで動く自動車)は、一時的な流行に過ぎず主流にはならないと予想しています。問題としてはエネルギー密度、コスト、再充電時間を問題として挙げています、つまりバッテリーの問題です。(電気自動車なのでバッテリーが問題になるのは当たり前ですが。)ただし、バッテリーの進化が起これば話は別ですが、そこまで急激には発展しない(ガソリン車と競争できるくらいにはならない)と述べています。

 

 私ももともと同じ考えだった(既にどこかで聞いたことがある)ので、新しい知識が得られたわけではないですが、米国エネルギー省顧問も同様に考えていることが知れてよかったです。

 

 

人材が不完全燃焼な日本企業 「なぜ日本企業のビジネスはもったいないのか 黒田豊著」を読んで

 日本の企業は潜在力はあるのに生かしきれていない、またイノベーションをどのようにして起こすのか、著者の経験に加え、Googleやアップル等の事例を踏まえてその方法について提言されています。

 その中で、日本企業がイノベーションを起こせない原因の一つとして「人材が不完全燃焼な日本企業」が上げられています。仕事の中で上司や先輩に気を使い過ぎて萎縮してしまい、言いたいことを言えなくなっていると述べられています。そして小さくなって仕事をしているうちに、小さくなっていることも気づけなくなっている人もいると指摘されています。私も自分の仕事ぶりを振り返るとよくあてはまるなぁと思いました。今の会社でずっと定年まで過ごそうと思うとどうしても波風が立つことを敬遠するきらいがあると思います。

個人としてはどうするか

 どのような意識や姿勢で働くかということは、どう生きるのかにも直結すると思います。人生の大半は仕事をして過ごさなくてはいけないので。今のような働き方では、自分の人生は本当にこれでよかったと思えない気がします。やはり言うべきことは相手が誰でも言うべきだと思います、私はそれを心がけようと思います。

(米国では日本より雇用の流動性が高いので、自分の主張を殺して小さくなっている人は少ないそうです。このあたりは雇用制度も関係するので個人ではなかなか難しいですが、まずは自分の気持ちから変えようと思います。)

「60分でわかる! クラウドビジネス最前線」を読んで

 クラウドという言葉はよく聞きますが、実際にどういうものか知りたくてこの本を読みました。クラウドは今まで社内にあった「モノ」を外部の環境に出し、どこでもアクセスでき、また自社でサーバーを持たずに使った容量の分だけ課金される、逆に容量が足りない時には簡単に容量を増やすことができる、という特徴があります。「モノ」というのは「OS、ミドルウェア、アプリ」があり、どれをクラウド化しているかで分類ができます。あと利用形態として「パブリッククラウドプライベートクラウド、コミュニティクラウド、ハイブリッドクラウド」がありますが、セキュリティ性の高い「ハイブリッドクラウド」が気になりました。この本を読んでいてクラウドの一番のデメリットはセキュリティにあると思いましたので。

 いずれにせよ、この本はわかりやすく入りにはとてもよいと思います。今後はMicrosoft AzureやAWS(Amazon Web Services)など具体的な商品を調べることで知識を深めていこうと思います。

 

「シュメール人の数学 粘土板に刻まれた古の数学を読む 室井和男著」を読んで

 この本はシュメール人の数学について、概要を説明した本としては世界で最初の本(おそらく)だそうです。私は科学や数学に関する歴史が結構好きなので、タイトルを見てすぐに読むことにしました。

 

 出てくる数学はそれほど難しい内容ではないため、数学で詰まることはないのですが、楔形文字にはそれほど興味を持つことはできなかったです。ただ著者はこのシュメール人の数学だけを専門にしてきたのではなく、予備校の数学講師としての仕事の傍ら研究をしてきたということは羨ましく思ってしまいます。それだけのめり込めるものがあるということと、成果を残せる能力があるということが憧れます。

 

数学に関する内容で惹かれたのは

 数学に関する部分ではシュメール人複利計算をしていたことが印象的でした。既に複利計算がされていたことにも驚きですし、この件についてアメリカの教授の論文の誤りを指摘した結果、相手から誹謗中傷するメールが来るなどした事件(?)が記憶に残っています。誰でも自分の誤りを指摘されるのは気分がよくないですが、反省して誤りを認めるという姿勢は皆が持つべき態度だと思います。(声が大きい人の主張が通るような環境は間違っていると思います。まあ往々にしてそういうのは会社でもありますが。。。)

 

製造業は何を目指すのか?TPSを勉強して考えていること

 現在TPS(トヨタ生産方式)について勉強しています。方法としては、本やインターネットをみたり、トヨタで働いている友達に聞いたりしています。しかし、自分の中ではこれがTPSだというのは見つかっていません。なんとなくわかった気でいる感じです。やはり実体験を伴わないと理解は難しいです。(TPSは理論から作られたものではないのでなおさら難しいです。)

 あくまで私の理解の中だけですが、TPSでよく聞く言葉「JIT(Just In Time)」と「自働化」についてわかったことを書きます。TPSはそもそも多品種少量生産と同時に高いQCDを目指すものです。これは「企業」とは何を目指すべきか、ということを明確にしていると思います。そしてQCDの中で高いD(Delivery)とははまさにJITそのものです。要するに必要な時に、必要なものを、必要なところへ、必要なだけ納入します。必要な数だけというところが難しく、在庫をいくらでも持つことができれば迅速に納入することができます。しかし、多品種少量生産では多くの品種があり一般に価格が高い製品(それこそ車など)では難しいです。(在庫は売れないと最終的には処分しないといけません。)そこで、余分なものをつくらないために各工程を同期化するのが「カンバン」となります。カンバンにより運搬や生産を支持し、各工程を同期化します。

 また自働化ですが、これはニンベンがついていることから分かるように、人が主体となり、不良が起こったら機械を停止して再発防止策を講じることです。一般にQCDについてそれぞれ相反すると考えられます。Q(Quality)を向上しようとするとC(Cost)が上がります。しかし、不良をなくすことはQCDを同時に向上させることができます。また不良だけでなく「ムダ取り」も同様です。

 要するにTPSとは単なる生産に関する技術の集まりというよりも企業が目指す方向を明確にし、どのようにそれを実現するのかというアプローチから生まれた知識、技術の集まりだと思っています。またそれが扱うのは広範囲におよぶため人によって解釈が異なるように見えているのかもしれません。