20代SE 忘備録

普段自分が考えたことや学んだことを忘れないように書いていきます。

愉楽の園を読んで

愉楽の園を読んで

 僕は宮本輝さんの本が好きで、特に気に入っているのが「愉楽の園」というタイのバンコクを舞台にした小説です。彼の小説を読み始めるとどんどん続きが気になってしまい、あっという間に読み終わってしまいました。この本では恋愛、人間愛、生死、欲望というような様々なテーマがあるように思います。したがって、話も混沌として進んでいくような気がしますが、舞台がタイということもありその混沌さが心地よく感じます。またこの小説そのものがタイの雰囲気(ジメジメして暑く、混沌とした感じ)をよく表現できていると思います。

 

 ただ読んでいてよくつかめなかったのが、恵子の心の動きです。もちろん様々なところで心が揺れるのを表しているのですが、なぜあのように心が動いていったのかは最後まで読んでも理解できなかったです。いや、きっと読みが浅いんだとは思うんですが。

またこの本ではサスペンスを中心に様々な人が関係していますが、このような話の作り込みはさすが宮本輝さんです。ドキドキ、ワクワクしながら読み進めつつも、あちこちにちりばめられたテーマ(さきほど述べたような)があり、自分も小説の中へと入り込んでしまいました。

 

 まだまだよくつかみきれていないところもありますし、そもそも話が面白いのでまた読み返してみようと思います。面白い作品っていうのは何度も読み返したくなる本だと思います。