20代SE 忘備録

普段自分が考えたことや学んだことを忘れないように書いていきます。

フェルマーの最終定理 サイモン・シン 青木薫訳を読んで

 

 かの有名なフェルマーの最終定理をめぐって、それを証明したアンドリューワイルズの話を中心に、数論の歴史、数学者の逸話が書かれています。私は大学生の頃からあまり小説を読まなくなりました。もちろん小説の良さはわかりますが、実際の歴史に基づいて書かれた本のほうが面白く感じるようになりました。この本はそういった意味で、私の趣味にあっていました。

 

数学(や科学)を考える意味

 数学とは単なる知識や科学技術ではなく、人類が築き上げてきた文化の一つであると改めて思います。そしてそのような情報を発信する新潮文庫さんは企業として、社会の中で重要な役割を果たしていると思います。そもそもフェルマーの最終定理の証明が何の役に立つのでしょうか?この定理の証明により、速い車が作れるようになるわけでも、あたらしい素材が開発できるようになるわけでもないです。(きっと)それにも関わらず、この定理は「価値」あるものです。私はエンジニアなので数学の実用的利用に主眼をおいてしまいがちですが、このように高度な知的創造をするということが人間にとって人間たらしめるものの一つだと思います。